2022年7月18日月曜日

堀) 最後に、今回の取材を通じて、発信したい、伝えたいことを教えてください。 ゆきさん) 私は教団の中でも大切にされる位置にいたし、そもそも両親ともスカンピンなので、金銭を搾取されるという経験を直接はしていません。 でもその陰で、同じ年代の山上兄弟のような子たちへの深刻なネグレクトが行われていたと知り、その搾取に私も加担していたようで、本当に胸が痛いです。 誰かを殺す、という判断は絶対にあってはいけないことです。そこまで彼を追い詰めてしまったのは紛れもなく、信者である彼の母と彼女を食い物にした教団の責任も重たいと思います。 1人ひとりの信者は、本当に真面目で素直で優しいひとがほとんどです。言われたことはきちんと信じ、実行する。ただし、そうすると、悪意を持って無茶な集金をしようとする人が出てきたり、幹部で横領があり集金額を大幅に増やされたりという事が出てきたときに、自浄作用が働かないんです。 創設初期には、花売りや廃品回収などの素朴な経済活動が主な資金源だったそうです。それがだんだん少しずつ道を外れて、印鑑だ壺だ高麗人参だと、エスカレートしていったのかなと思っています。 教団を離れる時、私は献金問題にドン引きして、ただただ逃げてしまいました。あのとき、何か是正に向けてできることはなかったのか、警察に内部資料を告発する、くらいのことはやるべきだったのでは、と思い返し、まだ答えが見つかりません。 二世に限らず、今の教義に少しでも疑念を抱いている信者の方にお伝えしたいのは、自分で考えることをやめないで欲しい、という事です。 内心の自由は、教団に対しても自由なんです。 違和感を感じたら、教団内でアベルと呼ばれるメンターだけに相談するのではなく、自分の心の声とも、ちゃんと話し合って欲しいです。客観的な情報にも定期的に触れてください。 脱会して教団外で結婚しても、地獄に落ちたりせず幸せに暮らしている私のような人間もたくさんいると知って欲しいです。

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