2022年7月30日土曜日

続々

先祖の犯した植民地支配という罪を償うためにあらゆる献金をしなさい」 旧統一教会は文鮮明氏を教祖に1954年創設された韓国の新興宗教。文氏没後現在の教祖は妻の韓鶴子氏だ。だが、韓国と日本では様子が違うらしい。韓国のキリスト教系テレビ局の記者に聞いた。彼は統一教会をキリスト教の異端として取材し続けている。 CBSテレビ ソン・ジュヨル記者 「現在旧統一教会は、単純なカルトというより宗教と産業が結合した“宗産複合体“の性格が強い。『統一グループ財団』があり、小・中・高校、大学まであります。彼らは『天一国』という宗教国家を目指し、国旗も国家も憲法も作っています。バチカンのようなミニ宗教王国をイメージしています。その建設資金に日本の信者の献金が使われます(中略)日本の信者には『先祖があまりにも多くの罪を犯したせいで子孫が苦しんでいるんだ。だからその罪を帳消しにしないといけない』と説いています。つまり先祖の犯した植民地支配という罪を償うため日本人信者はあらゆる献金をし、先祖解怨をし、懺悔する気持ちで献金をしなさいということです」 文鮮明氏の“お言葉”をまとめた本がある。広辞苑並みの厚さだが、信者は最低1冊は一生の宝として購入するという。ちなみに430万円だ。この中に文鮮明氏の本音と旧統一教会の本質がある。 北海道大学大学院 櫻井義秀 教授 「原理講論(教典)に韓国語版と日本語版があって、韓国語版には植民地支配がいかにひどいものだったか書かれていて、日本語版にはそれがない。(中略)“恨みを解く”というのが統一教会の本質なんです(中略)植民地時代の民族的恨みを解くこととして、日本で資金を調達してそれを韓国に持ってきて世界的な活動に使う。これが統一教会の本質を成しているんだと思う」 日本の植民地支配への恨みを日本から献金を巻き上げることで果たしている旧統一教会。だとすれば、日本の保守的な政治家たちとは相容れないはずである。 北海道大学大学院 櫻井義秀 教授 「(本質的なことより)反共の頃ならスパイ防止法とか、最近ならジェンダーフリー反対とか、家庭が大事とか、そういう部分で自民党の保守層と共有できた。表面上だけであって中身は全く違う、それぞれの国の保守なんです。それぞれがメリットを考え利用し合ったんだと思う」 自民党の政治家たちは、旧統一教会の本質を知っていてメリットを取ったのか、それとも知らなかったのか?議員にとっては喉から手が出るほど欲しいのが見える票の塊で宗教団体と選挙は親和性が高く、だからこそ気を付けなければならないと指摘する。 ジャーナリスト後藤謙次氏 「長年政治の世界を見てきましたが、これだけの問題が隠されてたのが初めて事件によって明らかになった。しかも自民党に大きくかかわっている人がいる。野党側が旧統一教会との関連を調べはじめてているが、自民党も議員との関係、どんなやり取りがあったのかきちんと調査をする責任がある。私が個人的に注目しているのは、9月にもあるといわれる内閣改造で、大臣になる人の“身体検査”に、この旧統一教会との関係を入れるかどうかです」 どちらにしても、日本の政治家が票欲しさにプロパガンダに利用される可能性があり、行動は慎むべきだと山口弁護士は切実に訴えた。 全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士 「旧統一教会の悪質性はどんなに言い訳しても許されない。人生の破壊、金銭的被害に家庭の亀裂は本当に深刻なんです。議員さんには是非そういうことを知っていただいて、付き合わないでいただきたい。旧統一教会は反社会的団体なんだと知っていただいて今後の政治活動をしていただきたい。心からのお願いです」 (BS-TBS 『報道1930』 7月22日放送より)

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