2022年4月1日金曜日

坂上忍保護への思い

記事聞き手はなんと「犬を殺すのは誰か」著者の 朝日新聞社の太田くにひこさん→平日昼の情報番組「バイキングMORE」(フジテレビ系)の司会を長年務めてきた俳優の坂上忍さん(54)が番組を卒業します。犬猫の保護活動に注力するためといいます。卒業を前に、活動にかける思い、動物福祉(アニマルウェルフェア)向上に向けた課題などを聞きました。 【写真】「動物保護活動を職業にする」と語る坂上忍さん。私費を投じて建設、整備を進める「保護ハウス」で1時間以上にわたり、保護活動への思いを語った=2022年2月24日午後、千葉県、池田良撮影      ◇  動物たちのための「保護ハウス」の建設がコロナ禍で思うように進まないなか、2020年9月から「バイキング」の放送時間が約3時間に延びました。打ち合わせや下調べにかかる時間が増えることまで考えると、体力的にも気力的にも、バイキングを続けながら保護活動ができるだろうかと思うようになりました。  動物の世話などは雇用するスタッフに任せ、僕自身は実務を離れて運営だけを担おうとも考えたのですが、その状態を、たぶん自分は後ろめたく感じる。現場で実務にあたるなかで、保護活動について新たなアイデアも生まれるかもしれない。そんなふうに考えた結果、少なくとも月の半分は保護ハウスのためにスケジュールを空けようと決めました。物理的に、バイキングを卒業するしか選択肢がありませんでした。  保護ハウスの建設を考えるようになったのは17年秋ごろです。これまでずっと、「困っている犬がいたらうちにおいで」という気持ちで保護犬や保護猫を引き取ってきました。同時に、プライベートで複数の動物愛護団体の活動を見に行っていました。尊い活動だと思う半面、ボランティアと寄付の「善意」だけに支えられていることが気になりました。「経営」の観点が欠けていて、多くの団体がいつか壁にぶちあたるのではないかと心配になりました。  何かできないか悩みました。善意ベースで考えるとなかなか解決策が思い浮かばない。そこで「商売」として考えてみることにしました。僕には「坂上忍の名前」というある種の反則技が使える。きれいごとを捨てて、あえて名前を使うことでできることがあるんじゃないかと、頭を切りかえました。  そのための拠点が保護ハウスで、いよいよオープンします。商売として保護活動が成立すると、保護活動は職業になり得ます。たとえば「動物保護士」と呼ばれるような職業にできれば、動物愛護団体の皆さんの将来まで支えることができ、同時に活動の持続可能性はぐっと高まる。そのぶんだけ動物たちを幸せにできるようになります。  そこまでいければ保護活動は、社会的に無視できない存在になるはず。大きな問題にしっかりと対峙(たいじ)し、たたかっていけるような存在です。結果として、日本の動物福祉のあり方全体に大きな影響を与えられるようになると僕は考えています。(聞き手・太田匡彦) 朝日新聞社

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