2020年1月3日金曜日

続き

ここでローザは目が覚める。筆者がローザから送ってもらった英文では、夢の部分が少しフワフワとした描写になっていて若干分かりづらいが、そこは夢ということでご了承いただければと思う。

夢から覚めたローザは、なぜこんな不思議な夢を見たのか分からなかった。ギズモのことを哀しむあまり見てしまったのか。やがてローザは夢のことを忘れ、ギズモと出会う前の日常へと戻っていった。

——-それから数ヶ月後——-
ある日、ご近所さんが自宅を訪ねてきた。母が用件を聞くと、ご近所さんは生まれた3匹の猫をだれかにもらってほしいという。母はローザを呼んで言った。

「ご近所さんがね、3匹の猫をもらってくれる人を探してるんだってよ。あなた、猫好きでしょ?もらってもいいわよ?」

ローザはすぐに返事を返した。

「いらない。」
ギズモの死から数か月が過ぎたが、彼の死はローザの心に深い傷を残していた。玄関まで出てきたローザは、ご近所さんが手に持っている猫を見た。すると、そのうちの1匹が茶色と白色の模様になっており、ギズモと見間違えるほど似ていたという。性別もオスだった。母はご近所さんにお断りのやり取りをし始めていたが、ローザは「この猫だけもらえませんか?」といって生後数か月の猫を1匹だけもらったのである。

——-それから14年後、現在——-

ローザは30歳になり、現在はアーティストとしてドイツで活躍している。ご近所さんにもらった生後数ヶ月の猫も14歳になり、あの時のギズモと同じ年齢となった。名前は夢の中でギズモがくれたキッチンにちなんで「CHILLY(チリー)」と名付けられた。チリーの生まれた月は、ギズモが亡くなった月と同じだったようである。ギズモが死んだ数日後に見た夢は「生まれ変わり」を暗示していたのかもしれない。ローザは、この先チリーが寿命で亡くなっても、きっとまたどこかで元気に生まれるだろうと信じている。

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