無償の富

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宇宙には無限の富があります。そしてそれは、誰にでも手に入れることが可能
　　　　　　　で　す。しかし、その富を得るためには、ある法則が必要となります。




　　　　　　　それは、自分が得たい物を、他に与える―――という精神を持ち、それを実行
　　　　　　　することです。




　　　　　　　あなたがもし「　お金が欲しい　」と思ったら、心の奥にあるネガティブな思
　　　　　　　いを一掃する必要があります。そうしたネガティブな思いがあると、富が入り
　　　　　　　づらくなるからです。


例えば、お釈迦様の時代に、こんな話があります。干ばつによって飢餓状態に
　　　　　　　あった地域に、お釈迦様は弟子に、「　そこへ托鉢しに行って来なさい　」と
　　　　　　　おっしゃられました。




　　　　　　　その場所が、ひどい飢餓状態にあることを知っていた弟子は、「　先生、あそ
　　　　　　　こに行ってもお布施をもらうことは出来ないと思います　」と、お釈迦様に言
　　　　　　　いました。


すると、お釈迦様はその弟子にこう告げました。「　あの場所が飢餓状態にあ
　　　　　　　るのは、そこに住む者たちのカルマによるものである。そこで、彼らにお布施
　　　　　　　をする機会を与えることが、すなわち、彼らの心を餓鬼地獄から救うことにな
　　　　　　　るのだ　」




　　　　　　　つまり、貧しさの中にある者は、人に与えようとする気持ちがないからであ
　　　　　　　り、餓鬼状態から脱却するには、「　感謝　」の気持ちを持ち、他の人に施し
　　　　　　　をしたいという気持ちを持つことにこそ、救われる道があることを、お釈迦様
　　　　　　　は説いたのです。


お布施とは、ただ単に物質的に「　お金を施す　」という意味だけではありま
　　　　　　　せん。感謝の気持ちをもって、自分にできる施しをする――ということも、お
　　　　　　　布施となっているのです。つまり、お布施の尊さは、金銭の高ではないという
　　　　　　　ことなのです。
　　　　　　　




　　　　　　　宇宙の法則から言えば、富とは、「　感謝　」の気持ちを持ち、他の人に対し
　　　　　　　て「　与える愛　」の心を持つ者に与えられます。それが因果の理法であるか
　　　　　　　らです。


ですから、もし、今以上に富みを求める気持ちがあるのなら、感謝の心を忘れ
　　　　　　　ずに、より多くの人を幸福にしたい―――という気持ちを持ってみて下さい。
　　　　　　　真の富を得るためには、そのような心掛けが大事なのです。





　　　　　　　日本は今経済危機にあると言われていますが、それでも他国から比べれば、非
　　　　　　　常に富んだ国です。自国のみならず、世界各国の人々が、経済的な不安を持つ
　　　　　　　ことなく、平和に暮らし、個々の魂の向上を目指すことに邁進する文化を地球
　　　　　　　レベルで確立することが、私の願いです。