「人間万事塞翁が馬」は、「人生の幸不幸は予測できないものだというたとえ」という意味のことわざです。
「人間万事塞翁が馬」という言葉を分解すると、以下のようになります。
【人間】⇒ 中国語:世間
【万事】⇒ あらゆること
【塞翁】⇒ 塞(とりで)に住む翁、つまり老人
【が】⇒ の(「所有」を表す格助詞)
つまり、直訳すると「世間では、あらゆることが塞翁の馬のようである」という意味になります。
このことわざの由来となった「塞翁の馬」の話は後ほど解説します。
例文
- ミスをして落ち込んでいたら、上司が「人間万事塞翁が馬だぞ。」と励ましの言葉をかけてくれた。
- 人間万事塞翁が馬だからと言われても、こう不幸なことが続くと参ってしまう。
- イベントのオーガナイズに失敗したからと言っても気にすることはないよ。人間万事塞翁が馬と言うじゃないか。
読み方】「人間」は「にんげん」とも「じんかん」とも読む
「人間万事塞翁が馬」の「人間」とは「世間」や「世の中」を意味する中国語です。
由来となった故事は『淮南子』の『人間訓(じんかんくん)』という章の中にあります。
そのため、 ここでの「人間」は、その由来を尊重し「じんかん」と読むべきだという説もあります。
しかし、大抵の辞書には「にんげん」という読み方が用いられています。
相手への伝わりやすさを考慮に入れると、「にんげんばんじさいおうがうま」と読む方が無難だと言えるでしょう。
また、「人間万事」を省いて「塞翁が馬」という形だけで用いられることもありますが、意味は同様です。
由来は古代中国のある老人が飼っていた馬の話
「人間万事塞翁が馬」の由来となった故事のあらすじは以下の通りです。
昔、中国の北方の塞(とりで)の近くに、ある老人が住んでいた。
その老人が飼っていた馬が逃げたという不幸があったが、しばらくするとその馬が別の優れた馬を連れて帰っくるという幸福が訪れた。
今度は、その優れた馬に乗った老人の息子が落馬して足を折るという不幸があったが、そのおかげで兵役を逃れられた。
この話を由来とし「世の中で起こるあらゆることはまるで塞翁の馬のようだ」ということわざが生まれました。
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