2019年12月24日火曜日

原材料の「植物油」って?


ネットより

 カップ麺、チョコレート、ポテトチップス、アイスクリーム、パン、シャンプー、リッ プスティック、石鹸。  皆さんの身の回りによくあるこれらの共通点は何だと思いますか?答えは「パーム 油」です。食品だけではなく、化粧品や石鹸・洗剤などの原料としても使われるパー ム油は、さまざまな用途に利用できること、生産性が高く安価なことから、世界で最 も消費される植物油となりました。スーパーで販売されている商品の半分にはパーム 油が使われているともいわれています。
 ◆植物油の「植物」って?  パーム油なんて聞いたことがない、 と思われるかもしれません。日本では 法律により「植物油脂」と記載すれば よいため、菜種油、パーム油、大豆油、 こめ油、とうもろこし油などを使った 加工食品は、原材料名に植物油脂と書 いてあります。一方、化粧品や洗剤に 利用されるパーム油は、グリセリン、 オレイン酸、脂肪酸といった成分名が 表示されます。日本では、菜種油に続 きパーム油が 2 番目に多く消費され(図 1)、その 8 割以上が食用に利用されて います(図2)。


パーム油はアブラヤシという木の実 を絞った植物油です。アブラヤシはア フリカ原産のヤシ科植物ですが、種を 植えてから3年ほどで実を収穫できる ようになり、重さ20 ~ 40kgの小さな 実がたくさん集まった果房をつけます。 果房は1本の木から年間10 ~ 12個収穫 でき、収穫した実からは「パーム油」が、 その種からは「パーム核油」がつくら れます。パーム油は主に食用に、パー ム核油は化粧品や洗剤に利用されてい ます(表1,写真1 ~ 5

パーム油の問題って?
 2013-2014 年度に世界で生産された主 要な植物油は1.69億ton、そのうち約 6,000 万 ton(36%)がパーム油です。今 では大豆油を抜き世界で一番生産され るパーム油は、大半がインドネシアと マレーシアでつくられています。  アブラヤシは熱帯林の分布する赤道 付近で育つため、アブラヤシ農園を開 発するためにこれまで大規模な森林破 壊を引き起こしてきました。インドネ シアのスマトラ島では、1985 年からたっ た 30 年で半分以上の森がなくなってしまいました(図3)。  貴重な動植物が住む豊かな森がなく なり、一面にアブラヤシが植えられた 土地では、オランウータンやゾウ、ト ラなどの野生動物は生きていくことが できません。昔から森を利用し生活し ていた先住民や地域コミュニティとの 土地紛争も珍しくありません。また、 泥炭地と呼ばれる温室効果ガスを多量 に含んだ土地の開発や、伐採を目的と した火の使用は、地球温暖化にも大き く貢献してしまっています(写真 6 ~ 8)。




0 件のコメント:

コメントを投稿