会の名称「全ての生命を尊ぶ」ことはいうまでもなく、 地球や地球に生きる鉱物や水蒸気や植物、動物、人間を 含む宇宙全てにおけるあらゆる魂たちと統合をし、あらゆる魂たちが 愛と自由の元活躍出来ることを目指します。
2022年10月23日日曜日
経済を優先すると
こうなるのはあたり前。危機回避能力の問題。中国は、最初から計画的なのをみ破る事ができなかった
→スリランカ南部のハンバントタ。債務のワナで、港を中国に譲り渡したとして、一躍有名になった街だ。
最大都市コロンボから、車でおよそ3時間強かけて現地へと向かった。ハンバントタにつながる高速道路は立派だが、平日の日中にもかかわらず、ほとんど車は走っていない。時折、クジャクやサル、大きなトカゲが高速道路を横断するのを目にする始末だった。
ハンバントタは自然が豊かな港町だ。大きな道路沿いにはゾウが進入してこないよう電気柵が設置されている。ゾウが出るから、夜は出歩かないようにしていると話す住民もいた。
まず訪れたのは「マッタラ・ラジャパクサ国際空港」。中国の支援で建設された国際空港で、担当者によると、コロンボの国際空港を補完する役割があり、24時間、緊急着陸などに対応しているのだという。
ロビーには、空港を見物に来たというスリランカ人のグループがいた。土日にはよく地元の人や観光客が見物に来るのだという。こうした観光客向けなのか、ロビーの売店も営業していた。ただ、受付の女性スタッフ2人は時間をもてあましているようだった。
実はこちらの空港、現在は定期便はなく、“世界一ガラガラな空港”と言われている。地元メディアによると、毎月1億スリランカ・ルピー(=約4000万円)の赤字を垂れ流しているという。コロンボの国際空港の利益を回すことで、何とか維持している状態だ。
空港から車で30分ほど走ると、ハンバントタ港が見えてくる。中国からの融資で開発が進んだが、2017年に運営権が中国企業へ譲渡された。いわゆる債務のワナに陥った場所そのものだ。ただ、港や運営会社のビルなどを訪ねても、いわゆる中国っぽさは感じられなかった。
港には、マレーシアの船が2隻停泊していて、ちょうど南アフリカへ向かう貨物船が出港したところだった。周辺の開発はいまも続いていて、ヨットハーバーを作るための工事が行われていた。
港の運営会社のスリランカ人幹部が、現状について説明してくれた。運営権が中国側に渡る前、港に寄港する船は月に20隻以下だったが、いまでは50隻近くの船が来るようになったという。日本の海運会社の利用も多いと話す。港で中古車を受け入れて修理し、アフリカなどに輸出するビジネスを新たに展開したいと日本企業に相談しているのだという。
一方、ハンバントタ港をめぐっては、今年8月、中国海軍の調査船が入港して中国による将来的な軍事利用への懸念が広がった。この点について聞くと「全ての船は、スリランカ政府の承認なしにこの港に入ることも出ることもできない。スリランカ政府がこの船は大丈夫だと言えば、私たちは入港させる」と話し、スリランカ政府が判断することだとした。
街を率いるリーダーは、いまの状況をどう考えているのか。地元で30年以上、政治家を続けているというハンバントタ市長に話を聞いた。2004年に津波で大きな被害を受けた街にとって、港や空港の建設は街の復興や発展につながるチャンスだと期待を寄せていたという。市長自身も港のすぐ隣に住んでいて、付近の住民は皆、仕事が増えると喜んでいたと話す。
ハンバントタは、兄弟で大統領となりスリランカを20年近く支配してきたラジャパクサ一族の地元だ。さまざまなインフラ整備は採算を度外視していて、地元への露骨な利益誘導の側面が大きい。結果的に、ほとんど活用されず、住民の雇用にはつながらなかった。港にわずかに雇われている住民も、1日2500スリランカ・ルピー(=約1000円)という安い給料しかもらっていないという。
市長は、こう不満をあらわにした。
「港は税金も払っていない。街との付き合いは週に2回、私たちがゴミを回収しに行くだけだ。それもリサイクルができない無駄なゴミだけ押しつけられるのがひどい」
「港や空港などのプロジェクトは間違いだった。この地域にはふさわしくない。港が利益を上げても、それは中国のものになってしまい、住民のためにはならない」
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