2013年9月29日日曜日

猟犬「りょう」の報告②

それでも少し時間がたつと、わたしになら大丈夫ではないか、、
この子はもう怖くて里子には出せないけれど、ここでずっと暮らしていけないか?などと考えました

ただ、怖いのはやはり人を噛むことです
1年前に引っ越してきて近所にあいさつにまわった時に
たぶん動物嫌いだと思われる若いご主人から言われました

吠えてくれるのは野生動物よけになっていいんだけど、、
絶対に離すことだけはしないでください
小さいこどもがいますので、、

保護やってる人、ぼくも知っていますが、難しい人もいるんでね
と、いやみも交えて、、

1年間住んでみて、その人やすぐそばに住む両親はやはり動物嫌いだとわかったのですが、ただ、人を噛むのは絶対に避けなければいけません

外犬を鉄のチェーンで繋いでいても何かの拍子で外れる、切れることもありますので、、

その日の夜、どうしようか悩んでいました
日が変わって夜中の2時に外犬たちがワンワン吠えだしました
部屋の窓から外をみると、鉄のチェーンで繋いでいたはずの「元気」がうろついています
元気はその2日前に神戸西警察から引き取った雑種犬で家の建物を挟んでりょうとは正反対のところに繋いでいました

まず頭をよぎったのが、りょうが元気を噛むかも?ということです
元気がりょうのいる方向に向かうのが見えたので、わたしは先回りしてりょうのいるほうから走っていき元気を捕まえようと懐中電灯で照らしながら走りました

その時、頭の中から、りょうが今日男性を噛んだことがすっかり抜けていました
その時は夜でもりょうは犬小屋のうえに寝転んでいました
わたしが通り過ぎようとした瞬間、犬小屋から飛び降りてわたしを追いました
鎖をながめにしていたので、噛まれると思いましたが、逃げた瞬間石につまづいてこけて、、
で、何もありませんでした
元気もすぐにつかまりました

元気は、警察に来たときに鎖をひきづって来ていて、そのくさりが使えたので使っていたのですが、首輪につけるところがさびてきていて、そこがちぎれていました

ただ、このことでわたしはりょうに対して恐怖心を抱くようになってしまいました

犬に詳しい人に聞きました
夜だから、わたしだとわからずに追ったのでは?と聞きましたが
それはない、犬ならわかるはずだと、、

わたしからすると、瞬間襲われると思いました

翌朝ごはんをあげにいくのも怖くなり、子猫たち用に買っていた鶏のむね肉をゆでて
1枚りょうに放りました
りょうは食べていましたが、もう、散歩にいくのにリードを付け替えるのもできないだろうと思いました

翌朝26日月曜日、京丹後警察の会計課に電話しようと思いました
書類上、まだ元飼い主の名義になっており、わたしに引き渡されるのは9月の下旬になっていたからです
ただ、その前に、りょうの引き取りを依頼してきたDさんに報告をしました

Dさんは、警戒心の強いのら犬を保護して慣らした経験もある人ですし、りょうと同じ顔をした猟犬を保護して里子に出した経験も2度ある方です

ただ、噛む子は自分も保護できないということでしたが、
「1日待って、他に保護してくれる団体ないか探してみる」ということでした

Dさんは、広島にある「犬猫みなしご救援隊」に聞いてみたそうです
DさんとDさんの知人は、昨年末から3匹の猫をこのNPOにお願いしたそうです
みなしごさんは原則受け入れた猫に里親さがしはしません
自分たちが保健所などから保護した子猫などに限り里親さがしをすることがあるそうです
なので終生飼育となります
ここまではわたし自身が前に直接電話でみなしごさんに聞いた話です
Dさんは、猫をお願いした際は1匹に付5万円だったそうです
交通費は、どう言ってか忘れましたが、、

終生飼育で引き取りやってる団体にしては値段は高くないほうだと思います

今回Dさんがりょうについて聞いてみたところ
終生飼育は30万円、ただ、みなしごさんには野生動物がいるので猟犬となると難しいし、実際今、おく場所もない、、と断られたそうです

この話をした時に、Dさんがみなしごさんに、りょうが人を噛んだことを話したかどうか、、そこまでは聞いていません
話していなければ怖いことです

Dさんの、成人された娘さんがりょうのことが前から気になっていたようですが、Dさんは
「しかたないね」と言いました

そして翌日警察に電話をしてりょうを迎えにきてもらいました
りょうを警察に返すということはどういうことなのか、、もちろん理解しています
センターへ送られ殺処分になるかもしれないと、、
いや、人を噛んだのだから殺処分されるだろうと、、

りょうには可哀そうだけれど、わたしは仕方ないと思いました
どんな子も同じひとつしかない命なんだけれど、おどかしも何もしていない人間を自分から襲い噛むというのは、もう、家族として一般家庭に迎えられるということはわたしからすると無理だと思ったからです
少なくとも、わたしはりょうを里子には絶対に出せないと思いました

かと言って
うちにずっとおけるのか?他の犬を襲うかもしれないし、近所の子どもやお年寄りを噛むかもしれません
実際もう恐怖心を持ってしまったわたしは、りょうに対して今までのように世話できません
かわいそうだけでは無理です

りょうには何の責任もありません
子犬の時からそういう犬になるように仕向けられただけなのですから、、

ただ、わたしにはりょうは無理です

8月27日にりょうを警察に返しました
その数日後、りょうはまずその警察の管轄の保健所にうつされました
わたしの住む地域の保健所が調査にきました
人を噛んだということで、書類の記入などに、、

保健所の人とは、りょうのこと以外にもいろんな話もしました
のら猫のえさやりについてや、生体販売についてなど、、
保健所の人は
「生体販売が無ければ僕らの仕事ももうちょっと楽なんだけど」って言ってました

りょうは人を噛んだということで、まず狂犬病の検査をされました
数日後結果が出て狂犬病にはかかっていないということでした

Dさんの娘さんがDさんに、りょうを何とか助けたいと話したことでDさんがりょうを
京都府内の「警察犬訓練所」に入れました
2カ月で15万いくらだということです

その2カ月間にDさんがりょうに里親さがしをするということです
りょうは警察・保健所・警察犬訓練所で、攻撃性を全くみせていないということです

ただ、一度人を噛むとくせになるということもあるそうです

りょうが人を噛んだということを理解したうえでりょうを迎え入れてくれる里親さんがみつかるといいですが、、

そのあたりはDさんがどうするか、、
もうりょうはわたしの手を離れましたので、これ以上はりょうのことは自分からDさんには聞かないつもりです

りょうはうちでストレスがたまっていたとは思いますが、それは他の子も同じ条件です
「猟犬」という、悲しい運命を持ち合わせたりょう、、
これからどういう運命になるかは、りょう次第でしょう

この世におこるできごとの全てに、偶然はないと思っています

それは今回の猫パルボに関してもです

それが何を意味しているのか、
それをきっかけに今後どのようにしていくのか、、
それが一番大切なのだと思います

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