2021年9月22日水曜日

シゲより2

相次ぐ支援の申し出とYutoさんの助言を受けてleizさんが設けたオンラインの寄付窓口には、250人以上から総額50万円を超える善意が寄せられました。 中には、なけなしの小遣いを寄付した母子家庭の小学生もいたそうです。 これらたくさんの善意とエールが込められた投薬注射を、しるくは痛みとかゆみに耐えながら受け続けました。 病状が一進一退する局面もありましたが、しるくは少しずつ、かつての元気を取り戻していきます。 そして8月には、精密検査の結果が正常値に収まり、同月15日に最後の注射を打ちました。 治療期間は当初の予定から大きく延びてしまい、投薬開始からちょうど100日が経っていました。 現在は3カ月間の経過観察中で、2週間に1度の血液検査が続いています。 治療終了時点での取材に、leizさんは「皆さまのおかげでしるくが無事、回復することができました。本当にありがとうございました」と、あらためて支援への感謝を述べています。 コロナ禍が収束したら、そもそものきっかけを作ってくれたYutoさんや支援者を招いて謝恩パーティーを開くという夢もあります。 特に、この間ずっとLINEで励まし続けてくれた落札者のmasakobaさんには、いっそうの恩義を感じています。 それに報いるためにも、「再来年の2月の車検までに、必ずスープラを買い戻すべく頑張ります。そして、元気になったしるくと海岸線をドライブしたいです」と、治療を終えた後の目標を語っていました。 きれいに甦った70スープラ しかし、leizさんの新たな目標はすぐに、意表を突く形で消失することになります。 しるくが治療を終えた翌月のある日、自宅でくつろぐleizさんの耳に懐かしい、独特の野太い排気音が聞こえてきました。 あのスープラがピカピカになって、leizさんの元に戻ってきたのです。 leizさんの自宅前に止まったスープラから降りてきたのは、修復作業を手掛けた、masakobaさん馴染みのショップのスタッフたち。 ここにスープラを届けるよう彼らに依頼したのは、masakobaさんでした。 それは、leizさんへの快気祝いのプレゼントだったのです。 5月にスープラを落札した当初のmasakobaさんの計画は、手元でコツコツと修復しながら、治療を終えたleizさんが落札額と同じ値段で買い戻すまで、大切に預かっておくというものでした。 計画を打ち明けられたleizさんは、masakobaさんの厚意に応えるためにも、いつか愛車を買い戻すのを最終目標に自らを鼓舞しながら、しるくの投薬治療を続けてきました。 masakobaさんは落札したスープラを引き取ると、コンクリートを敷いた専用ガレージを会社の一角に設置。保管場所を確保してすぐに、修復作業に着手します。 エアロパーツや外装部品を取り外し、ボディパネルや車体の傷んだ箇所を補修しながら、純正色のスーパーホワイトで再塗装しました。 また、劣化したゴム部品や機関回りのパーツなどは可能な限り交換しました。 しるくの治療終了までに終わらせる計画でしたが、古い個人輸入車両のため部品を確保するのに手間取り、翌月にようやく完成しました。 完全なオリジナル状態に戻すことはせず、leizさんの思い入れのあるアフターパーツはそのまま、という粋なレストアです。

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